オフィス移転は、物件探しからレイアウト変更、配線工事、不用品の処分までやるべきことが山積みで、担当者様にとって非常に負担の大きい一大プロジェクトです。
このプロジェクトを成功させるためには、全体像を正しく把握し、計画的に進めることが不可欠です。本記事では、オフィス移転の全体的な流れや最適なスケジュール、気になる費用感、そして失敗しないための注意点を徹底解説します。
なお、本記事をお届けするのは、京都を拠点に安心・安全な引越しサービスを提供する「ミツバチ引越センター」です。当社では、ご家庭の引越しだけでなく、法人様向けの「オフィス引越し」にも力を入れております。
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オフィス移転にかかる費用の全体像
オフィス移転は、企業の成長戦略において重要なステップですが、その費用面での計画は多くの担当者にとって大きな課題です。費用の全体像を把握し、適切な予算を組むためには、まずオフィス移転にかかる費用を大きく4つのカテゴリーに分類して理解することが不可欠です。ここでは、新オフィス構築費、現オフィス退去費、引越し費用、そしてその他の諸費用の4つに分け、それぞれの内容と内訳について詳しく解説していきます。
オフィス移転費用の種類
オフィス移転にかかる費用は、多岐にわたりますが、大きく以下の4つの主要なカテゴリーに分類できます。
- 新オフィスの構築にかかる費用: 新しいオフィスに入居し、業務を開始するために必要な初期投資です。これには、物件の契約に関わる費用や、オフィス空間を整備するための工事費、備品購入費などが含まれます。
- 現オフィスの退去にかかる費用: 現在使用しているオフィスを明け渡す際に発生する費用です。主に、契約内容に基づいた原状回復工事や、不要になった備品・設備の処分費用などが該当します。
- 引越しにかかる費用: オフィス全体を新しい場所へ移動させるために必要な費用です。専門業者への依頼費用が主となりますが、荷造りや解包作業にかかる人件費なども考慮が必要です。
- その他の諸費用: 上記の3つのカテゴリーには直接当てはまらないものの、オフィス移転に伴って発生する様々な費用です。例えば、住所変更に伴う各種手続き費用や、名刺・封筒・Webサイトなどの更新費用、場合によっては一時的な仮オフィス費用なども含まれます。
これらの分類を明確にすることで、オフィス移転にかかる費用の全体像を把握しやすくなります。
各費用の内訳
オフィス移転にかかる費用の4つの主要カテゴリーについて、それぞれに含まれる具体的な項目をさらに詳しく見ていきましょう。
- 新オフィス構築費:
- 不動産取得費用: 敷金、礼金、保証金、仲介手数料、前家賃、火災保険料など。
- 内装・設備工事費用: 壁紙の張り替え、床の補修・張替え、天井工事、照明工事、空調設備工事、LAN配線工事、電話工事、セキュリティ設備工事など。
- 什器・備品購入費用: デスク、チェア、会議用テーブル、キャビネット、コピー機、複合機、サーバー、電話機、その他事務用品など。
- デザイン・設計費用: レイアウト設計やデザインを専門業者に依頼する場合の費用。
- 現オフィス退去費:
- 原状回復費用: 賃貸借契約に基づき、入居時の状態に戻すための工事費用。壁紙の張り替え、床の補修、クリーニングなどが含まれます。
- 不用品処分費用: オフィス移転に伴い不要になった家具、什器、OA機器、書類などの処分にかかる費用。産業廃棄物処理費用などが該当します。
- 解体・撤去費用: 特定の設備や造作を撤去する必要がある場合の費用。
- 引越し費用:
- 運搬費用: 専門の引越し業者への依頼費用。荷物の量、移動距離、作業員の数、作業時間などによって変動します。
- 荷造・解包費用: 梱包資材の費用や、梱包・解包作業を業者に依頼する場合の人件費。
- 養生費用: ビルや共用部分の破損を防ぐための養生作業にかかる費用。
- その他諸費用:
- 各種手続き費用: 住所変更登記、印鑑証明書取得、官公庁への届出、郵便物転送手続きなど。
- 消耗品・印刷物更新費用: 名刺、封筒、パンフレット、Webサイト、SNSなどの情報更新にかかる費用。
- 仮オフィス費用: 移転期間中に一時的に必要となる可能性のある仮オフィスやトランクルームの賃料。
- 社内対応費用: 移転準備や当日の作業に関わる従業員の残業代や、引越し祝いなどの費用。
- コンサルタント費用: 移転プロジェクトを専門業者に委託する場合のコンサルティング費用。
費用の算出方法
オフィス移転にかかる費用の概算を立てる際には、いくつかの一般的な算出方法があります。企業の規模や移転内容によって最適な方法は異なりますが、ここでは代表的な2つの方法をご紹介します。
- 坪単価による算出: オフィス全体の面積(坪数)に、1坪あたりの平均的な移転費用を掛けて概算する方法です。この「坪単価」は、立地条件、オフィスのグレード、内装工事の程度などによって大きく変動しますが、一般的には1坪あたり20万円~50万円程度が目安とされています。例えば、100坪のオフィスを移転する場合、坪単価30万円とすると、総額で3,000万円程度と試算できます。この方法は、特に内装工事を伴う場合や、物件の広さが確定している場合に有効です。
- 従業員一人あたりによる算出: 従業員一人あたりのオフィススペースや、それに付随する移転費用を基に概算する方法です。一人あたりの必要面積(例:5坪/人)を算出し、そこから全体の必要面積を割り出す、あるいは一人あたりの移転費用(例:50万円/人)を直接適用して総額を算出します。この方法は、従業員数の増減が見込まれる場合や、オフィス全体の広さがまだ確定していない段階での目安として役立ちます。例えば、従業員が50名の場合、一人あたり50万円とすると、総額で2,500万円程度と試算できます。
これらの算出方法はあくまで目安であり、実際の費用は個別の条件によって大きく変動します。正確な費用を把握するためには、後述する見積もり取得が不可欠です。
オフィス移転の費用相場【2025年最新版】
オフィス移転にかかる費用は、企業の規模、移転先の物件、内装の仕様、引越しの距離や荷物の量など、様々な要因によって大きく変動します。ここでは、2025年最新のデータに基づき、オフィス移転の各フェーズで発生する費用の相場を、具体的な内訳とともに解説します。ご自身のオフィス移転計画の予算策定の参考にしてください。
新オフィス構築費用
新オフィスに入居する際に発生する初期費用や、オフィスを機能させるための内装・設備工事、什器購入にかかる費用です。物件の契約にかかる初期費用と、実際のオフィス環境を整えるための工事・購入費用に大きく分けられます。
- 不動産取得にかかる初期費用: 敷金・保証金(賃料の6~12ヶ月分が目安)、礼金(賃料の1~2ヶ月分)、仲介手数料(賃料の1ヶ月分+消費税)、火災保険料(2~5万円程度)、前家賃(1ヶ月分)などが必要です。これらの合計額は、賃料の8~15ヶ月分程度になることもあります。
- 内装工事費用: オフィスのデザインやレイアウト、使用する素材によって大きく変動しますが、一般的なオフィスの場合、1坪あたり10万円~40万円程度が目安となります。デザイン性が高い、あるいは特殊な設備が必要な場合は、さらに高額になる可能性があります。
- 設備工事費用: 電気、空調、通信設備などの工事費用で、1坪あたり20万円~35万円程度が目安です。既存設備の利用や、シンプルな配線で済む場合は費用を抑えられます。
- 什器・備品購入費用: デスク、チェア、キャビネット、会議用テーブル、パーテーションなどのオフィス家具や、複合機、サーバーなどのOA機器の購入費用です。従業員一人あたり5万円~30万円程度を見込んでおくと良いでしょう。中古品やリースを活用することで、コストを削減できます。
現オフィス退去費用
現在借りているオフィスを退去する際に必要となる費用です。主に原状回復工事と不用品の処分費用がかかります。
- 原状回復工事費用: 賃貸物件を借りた時の状態に戻すための工事費用です。壁紙の張り替え、床の補修、クリーニングなどが含まれます。一般的に1坪あたり3万円~8万円程度が目安ですが、物件の状態や契約内容によって異なります。原状回復の範囲については、事前に大家さんや管理会社としっかり確認することが重要です。
- 不用品処分費用: オフィス移転に伴って不要になった家具や備品、機密書類などを処分するための費用です。産業廃棄物処理法に基づき、専門業者に依頼する必要があります。トラックのサイズによって料金は異なり、2トン車で7万円~8万円、4トン車で12万円~15万円程度が目安となります。不用品を事前に買取業者に売却するなどして、処分費用を相殺することも可能です。
引越し費用
オフィス全体を新オフィスへ移転するための物理的な引越し作業にかかる費用です。荷物の量、移動距離、作業の難易度、時期によって変動します。
- 引越し費用の目安: 一般的に、従業員一人あたり2万円~5万円程度が目安とされています。これは、引越し業者への依頼費用、梱包材、養生費用などが含まれます。
- 費用が変動する要因:
- 時期: 年度末(3月~4月)や秋口(9月~10月)は繁忙期となり、費用が高くなる傾向があります。
- 作業難易度: 搬出・搬入経路が狭い、エレベーターが使用できない、クレーン作業が必要な場合などは、追加料金が発生します。
- 荷物の量と種類: 重量の重い什器(金庫、大型コピー機など)や、精密機器、大量の書類などの特殊な荷物の運搬には、特別な配慮と費用が必要になることがあります。
その他諸費用
上記以外にも、オフィス移転に伴って発生する様々な費用があります。見落としがちな費用ですが、事前に把握しておくことで、予期せぬ出費に慌てずに済みます。
- 印刷物・事務用品の再作成費用: 会社の住所変更に伴い、名刺、パンフレット、封筒、Webサイトなどの情報を更新・再作成する必要があります。従業員一人あたり1万円~2万円程度を見込んでおくと良いでしょう。
- 各種手続き費用: 法務局への登記変更、税務署への届出、各種許認可の変更手続きなどが必要です。専門家(司法書士、行政書士など)に依頼する場合は、10万円~20万円程度の費用がかかることもあります。
- 新住所での各種契約: インターネット回線、電話、郵便物の転送サービスなどの契約費用が発生します。
- 予備費: 想定外の事態に備え、総費用の5~10%程度の予備費を確保しておくことを強くお勧めします。
オフィス移転の費用を抑えるための7つの方法
オフィス移転は、企業にとって大きな決断であり、それに伴う費用も決して安くはありません。しかし、いくつかの工夫を凝らすことで、移転にかかるコストを大幅に削減することが可能です。ここでは、2025年現在でも有効な、具体的な7つのコスト削減方法をご紹介します。これらの方法を参考に、賢くオフィス移転を進めましょう。
相見積もりを取る
オフィス移転には、引越し業者、内装業者、通信業者など、様々な業者との契約が必要です。これらの業者選定において最も重要なのが、「相見積もり」を取ることです。複数の業者から見積もりを取得することで、各社の料金体系やサービス内容を比較検討でき、適正価格を把握することができます。これにより、不当に高額な請求を防ぎ、より条件の良い業者を選ぶことが可能になります。見積もり内容を比較する際は、単に金額だけでなく、サービス範囲、追加料金の有無、対応の丁寧さなども含めて総合的に判断することが重要です。
不要な費用を削減する
移転作業を進める中で発生する「不要な費用」を見極め、削減することも大切です。まずは、移転先に持っていくべきもの、処分すべきものを明確に仕分けましょう。長年使用しておらず、今後も使う可能性が低いオフィス家具や備品は、無理に運ばず処分・売却を検討します。これにより、引越し荷物の量を減らし、引越し費用を抑えることができます。また、不用品の処分にかかる費用も、業者に一括で依頼するだけでなく、リサイクルショップの活用や、自治体の粗大ごみ収集サービスなどを調べることで、コストを抑えられる場合があります。
内装工事を見直す
新オフィスへの内装工事は、移転費用の中でも大きな割合を占めることがあります。この費用を最適化するためには、いくつかのポイントがあります。まず、デザインの複雑さを避け、シンプルで機能的なデザインを心がけることで、工事費用を抑えられます。また、壁紙や床材などの素材選定も重要です。高価な素材ではなく、耐久性があり、かつコストパフォーマンスに優れた素材を選ぶことで、費用対効果の高い内装を実現できます。さらに、本当に必要な工事範囲を見極め、過剰な工事を避けることも、コスト削減につながります。
居抜き物件を検討する
オフィス移転の初期費用を大幅に抑える有効な手段の一つが、「居抜き物件」の検討です。居抜き物件とは、前のテナントが使用していた内装や設備(空調、照明、什器など)が残されたままの状態で引き渡される物件のことです。このような物件を選ぶことで、新たに内装工事を行ったり、多くの設備を導入したりする必要がなくなり、初期投資を大幅に削減できます。ただし、前のテナントのレイアウトや設備が自社のニーズに合わない場合もあるため、物件選定の段階で慎重な確認が必要です。
専門業者に相談する
オフィス移転は、計画から実行まで多岐にわたる専門知識が必要です。そこで、オフィス移転の専門業者やコンサルタントに相談することを強くおすすめします。専門家は、豊富な経験と知識に基づき、移転計画の立案、最適な物件の選定、信頼できる業者の紹介、そしてコスト削減のための効果的なアドバイスを提供してくれます。また、予期せぬトラブルの回避や、煩雑な手続きの代行も期待できるため、結果的に時間とコストの両方を節約することにつながります。
補助金・助成金を活用する
国や地方自治体が提供する補助金や助成金制度は、オフィス移転の費用負担を軽減する有効な手段となり得ます。例えば、地域経済の活性化を目的とした移転支援、IT導入や省エネルギー化を促進するための補助金などが存在する場合があります。これらの制度の利用には、一定の条件や申請手続きが必要ですが、活用できれば移転費用の一部をカバーすることが可能です。自社の状況や移転の目的に合致する制度がないか、事前に情報収集を行い、積極的に活用を検討しましょう。
オフィス家具の購入を見直す
オフィス家具の購入も、移転費用として無視できない項目です。新品のオフィス家具を一式揃えるとなると、かなりの費用がかかります。これを抑えるためには、いくつかの選択肢があります。新品にこだわらず、状態の良い中古オフィス家具を探す、必要な期間だけレンタルやリースを利用する、あるいは、現在のオフィスでまだ使用できる家具があれば、移転先に運んで再利用するといった方法が考えられます。これらの選択肢を比較検討し、自社の予算とニーズに最適な方法を選ぶことで、オフィス家具にかかる費用を大幅に削減できます。
オフィス移転の見積もりを取る際の注意点
オフィス移転の見積もりは、費用の全体像を把握し、予算を正確に立てる上で非常に重要です。しかし、見積もり内容を十分に確認しないと、後々追加費用が発生したり、想定外のトラブルに見舞われたりする可能性があります。ここでは、見積もり取得時に特に注意すべき3つのポイントを解説します。
複数の業者から見積もりを取る
オフィス移転の見積もりにおいては、必ず複数の業者から資料を取り寄せ、比較検討することが重要です。これにより、各社のサービス内容や価格設定を客観的に比較でき、市場の相場感を掴むことができます。また、最も自社のニーズや予算に合致した業者を選定するための判断材料となります。一般的には、最低でも3社程度から見積もりを取ることを推奨します。提示された金額だけでなく、サービス内容(作業範囲、保険の有無、対応の迅速さなど)も合わせて比較検討しましょう。
見積もりの内訳を詳細に確認する
見積書に記載されている項目を一つ一つ丁寧に確認することが不可欠です。特に、「一式」とまとめられている項目や、単価が不明瞭な項目には注意が必要です。これらの項目が多い場合、後々になって追加請求が発生するリスクが高まります。例えば、「内装工事一式」といった記載があれば、具体的にどのような工事が含まれているのか(壁紙の張り替え、床の補修、照明の交換など)を細かく確認し、必要であれば別途明細書の発行を依頼しましょう。詳細な内訳が記載されているほど、費用の妥当性を判断しやすくなります。
追加費用の有無を確認する
見積もり内容で不明な点や、想定外の作業が発生した場合に追加費用がかかるのかどうかを、事前に担当者としっかりと確認しておくことが重要です。例えば、作業当日に予期せぬ障害物が見つかった場合や、搬入経路の変更が必要になった場合などに、追加料金が発生するケースがあります。契約書に明記されていない追加費用が発生しないよう、どのような場合にどのような追加費用が発生する可能性があるのか、具体的なケースを想定して担当者と十分にコミュニケーションを取りましょう。不明瞭な点はそのままにせず、必ずクリアにしておくことが、後々のトラブルを防ぐ鍵となります。
オフィス移転を成功させるためのステップと注意点
オフィス移転は、単に場所を移動するだけでなく、企業の成長戦略の一環として、計画的かつ戦略的に進める必要があります。ここでは、移転計画の立案から、物件選定、内装工事、引越し準備、そして関係各所への手続きまで、一連のステップと、各段階で注意すべき点を解説します。これにより、読者はスムーズかつ計画通りにオフィス移転を完了させるための具体的な手順を理解できます。
移転計画の立案
移転計画の初期段階では、まず移転の目的を明確にすることが重要です。事業拡大、コスト削減、従業員の働きやすさ向上など、移転によって何を達成したいのかを具体的に定義しましょう。次に、その目的に基づいて現実的な予算を設定します。この予算には、後述する新オフィス構築費、現オフィス退去費、引越し費用、そして予期せぬ出費に備えるための予備費を含める必要があります。スケジュール策定においては、各工程にかかる時間を見積もり、余裕を持った計画を立てることが不可欠です。特に、物件探しや内装工事には想定以上の時間がかかることがあります。また、移転プロジェクトを円滑に進めるために、担当者や関係部署で構成される移転チームを編成し、それぞれの役割と責任を明確にすることも重要です。各ステップでの費用発生のタイミングを考慮した計画は、資金繰りの観点からも非常に大切になります。
物件の選定
新オフィスの物件選定は、移転の成否を左右する重要なプロセスです。まず、賃料、広さ、立地、建物の設備(空調、セキュリティ、OAフロアの有無など)、周辺環境(交通アクセス、飲食店の充実度、近隣の治安など)といった基本的な条件を確認します。これらの条件は、移転にかかる直接的な費用だけでなく、従業員の通勤負担や日常業務の効率にも大きく影響します。さらに、将来的な事業拡大を見据えた拡張性があるか、企業のイメージに合致する外観やエントランスであるかも考慮に入れるべき点です。従業員が快適に働ける環境であるか、ストレスなく業務に取り組めるレイアウトが可能かといった視点も、慎重に検討しましょう。
内装工事・レイアウト
新オフィスへの入居が決まったら、内装工事とレイアウト設計に入ります。ここでは、機能性、デザイン性、そしてコストのバランスをいかに取るかが鍵となります。例えば、執務スペースは、従業員が集中して業務に取り組めるように、パーテーションの設置や適切な採光を考慮したレイアウトにします。会議室は、用途に応じて大小様々用意し、最新のAV機器などを設置することも検討しましょう。また、リフレッシュスペースやコミュニケーションスペースを設けることで、従業員の満足度向上やチームワークの促進が期待できます。工事費用を抑えたい場合は、既存の内装を可能な限り活用したり、シンプルなデザインにしたりするなどの工夫が考えられます。信頼できる内装業者を選定し、詳細な見積もりを取った上で、自社のニーズに最適なオフィス空間を作り上げることが重要です。
引越し準備
引越し作業を円滑に進めるためには、事前の準備が不可欠です。まず、移転当日までに、全ての荷造りを完了させる必要があります。各部署や個人で責任範囲を明確にし、計画的に進めましょう。また、移転に伴って不要になったオフィス家具や備品は、事前に処分しておくと、引越し費用や新オフィスでのスペース確保の面で効率的です。IT機器(サーバー、PC、電話など)の移設については、専門業者に依頼するのが一般的ですが、データのバックアップやネットワーク設定の確認など、社内でも十分な準備が必要です。引越し業者との連携を密にし、当日の作業手順や時間配分について十分に確認しておくことも、トラブル防止につながります。
関係各所への手続き
オフィス移転に伴い、法的な手続きや行政機関への届け出など、多岐にわたる事務手続きが発生します。法務局への登記変更届、税務署への異動届、社会保険事務所や労働基準監督署への所在地変更届などは、移転後速やかに行う必要があります。また、事業内容によっては、許認可の更新や届け出が必要な場合もあります。従業員に対しては、移転先の住所や連絡先、移転スケジュールなどを事前に丁寧に周知し、混乱が生じないように配慮することが大切です。取引先や顧客に対しても、移転のお知らせを早めに行い、連絡先が変更になる旨を伝える必要があります。これらの手続きを漏れなく、かつ期日通りに進めるためには、チェックリストを作成し、担当者を決めて進めることが効果的です。
オフィス移転のよくある質問
オフィス移転は、多くの企業にとって初めての経験であり、費用面での不安や疑問がつきものです。ここでは、よく寄せられる質問とその回答をまとめることで、読者の皆様の疑問や不安を解消し、オフィス移転をスムーズに進めるためのお手伝いをいたします。
Q1. オフィス移転にかかる費用の全体像は?
A1. オフィス移転にかかる費用は、大きく分けて「新オフィス構築費」「現オフィス退去費」「引越し費用」「その他諸費用」の4つに分類されます。新オフィス構築費には、物件取得費、内装工事費、什器購入費などが含まれます。現オフィス退去費には、原状回復工事費や解約違約金などが発生することがあります。引越し費用は、搬送費や梱包材費などが該当します。その他諸費用には、移転に伴う各種手続き費用や、一時的な仮オフィス費用などが考えられます。これらの費用項目を事前に把握し、計画的に予算を立てることが重要です。
Q2. オフィス移転の費用相場はどれくらい?
A2. オフィス移転の費用相場は、オフィスの規模、立地、物件の状態、内装工事の有無、移転距離など、多くの要因によって変動します。一般的に、坪単価で計算されることが多いですが、従業員一人あたりの費用で目安を把握することも可能です。
【2025年最新版】オフィス移転の費用相場(目安)
- 坪単価: 50万円~150万円程度(物件取得費、内装工事費、什器費などを含む)
- 従業員一人あたり: 50万円~100万円程度
ただし、これはあくまで一般的な目安であり、具体的な費用は個別の条件によって大きく異なります。詳細な費用については、後述する「オフィス移転の見積もりを取る際の注意点」も参考にしながら、複数の業者から見積もりを取得することをおすすめします。
Q3. コストを抑えるための具体的な方法はある?
A3. オフィス移転の費用を抑える方法は複数あります。具体的には、以下の7つの方法が挙げられます。
- 相見積もりを取る: 複数の業者から見積もりを取得し、価格やサービス内容を比較検討することで、適正価格を見極め、より有利な条件を引き出すことができます。
- 不要な費用を削減する: 現オフィスに残る不要な什器や備品の処分を計画的に行うことで、引越し費用を抑えたり、原状回復工事の負担を軽減したりできます。
- 内装工事を見直す: 必要最低限の内装工事に留めたり、中古のオフィス家具を活用したりすることで、内装工事費や什器購入費を削減できます。
- 居抜き物件を検討する: 前のテナントの内装や設備が残っている居抜き物件を選べば、初期の内装工事費用を大幅に削減できる可能性があります。
- 専門業者に相談する: オフィス移転の専門業者に相談することで、コスト削減のノウハウや、最適な業者選定のアドバイスを得られます。
- 補助金・助成金を活用する: 地方自治体や国が提供するオフィス移転や事業拡大に関する補助金・助成金制度を確認し、活用できるものがあれば利用を検討しましょう。
- オフィス家具の購入を見直す: 新品にこだわらず、中古品やレンタル品を検討したり、既存の家具を再利用したりすることで、家具購入費用を抑えることができます。
Q4. 見積もりを取る際に、特に注意すべき点は?
A4. オフィス移転の見積もりは、後々のトラブルを防ぐためにも、慎重に確認する必要があります。以下の3点に注意して見積もりを取得しましょう。
- 複数の業者から見積もりを取る: 最低でも3社以上の業者から見積もりを取得し、価格だけでなく、提案内容、担当者の対応、実績などを総合的に比較検討することが重要です。
- 見積もりの内訳を詳細に確認する: 各項目の金額だけでなく、どのような作業内容が含まれているのかを具体的に把握しましょう。不明瞭な項目や、相場とかけ離れた金額の項目がないかを確認します。
- 追加費用の有無を確認する: 見積もり以外に追加で発生する可能性のある費用(例:予期せぬ追加工事、作業時間の延長など)について、事前に確認しておくことが大切です。契約書に明記してもらうなどの対応を検討しましょう。
これらの点に注意することで、後から予期せぬ追加費用が発生するリスクを減らし、適正な価格でオフィス移転を進めることができます。
まとめ
オフィス移転を滞りなく完了させるためには、余裕を持ったスケジュール策定と、複雑な工程を任せられる信頼できるパートナー(引越し業者)選びが非常に重要です。
やるべきタスクは多岐にわたりますが、本記事でご紹介した手順に沿って、一つひとつ確実に進めていくことで、移転後の業務もスムーズに開始することができます。
ミツバチ引越センターでは、法人様向けの「オフィス引越し」サービスをご提供しています。単なる荷物の移動にとどまらず、オフィス家具の解体・組立やレイアウトの調整まで、物流のプロフェッショナルが柔軟に対応いたします。
また、一般貨物自動車運送事業の許可を取得しており、万が一の際の補償体制も万全です。京都エリアを中心に、貴社の新たなスタートを強力にバックアップいたしますので、オフィス移転をお考えの担当者様は、ぜひ一度お見積もり・ご相談ください。
