洗濯機を引越しで運ぶ前には、給水ホース・本体・排水ホースに残った水を抜く必要があります。
水が残ったままだと、運搬中にホースから漏れて床やほかの荷物を濡らす可能性があります。また、ドラム式洗濯機は、移動前にメーカー指定の輸送用固定ボルトを取り付けることも重要です。
ただし、水抜きに使うコースや操作方法、フィルターの位置はメーカー・機種によって異なります。インターネット上の手順をそのまま行うのではなく、洗濯機の型番と取扱説明書を確認してください。
この記事では、洗濯機の引越し前に行う水抜きの基本的な流れ、縦型とドラム式の違い、運搬時の注意点、新居での設置・試運転まで解説します。
洗濯機の引越し準備でやること一覧
洗濯機の引越し準備は、縦型とドラム式で一部異なります。まずは、自分の洗濯機で必要な作業を確認しましょう。
| 確認項目 | 縦型洗濯機 | ドラム式洗濯機 |
|---|---|---|
| 給水ホースの水抜き | 必要 | 必要 |
| 本体・排水ホースの水抜き | 必要 | 必要 |
| 排水フィルターの確認 | 機種による | 必要な機種が多い |
| 自動投入タンクの洗剤処理 | 搭載機種は確認 | 搭載機種は確認 |
| 輸送用固定ボルト | 原則不要 | メーカー指定品が必要 |
| 設置後の固定ボルト取り外し | 不要 | 運転前に必ず確認 |
水抜きは最後の洗濯が終わった後に行う
水抜きをすると、給水ホースや排水ホースを外すため、作業後は洗濯機を使えません。引越し前の最後の洗濯が終わった後に行います。
前日までに済ませると、残った水を拭き取る時間や、部品を確認する時間を確保しやすくなります。ただし、水抜きに必要な操作時間は機種によって異なります。
準備する道具と確認したい部品
- 洗面器またはバケツ
- 雑巾・タオル
- ゴム手袋
- ホースや部品を入れるビニール袋
- 養生テープ
- 洗濯機の取扱説明書
- ドラム式の輸送用固定ボルトと指定工具
ドライバーや工具を使う作業は、機種によって異なります。給水金具や本体を傷めないよう、メーカーが指定していない工具を無理に使用しないでください。
洗濯槽の掃除は必須ではない
引越しは防水パンや排水口を掃除する機会ですが、水抜き直前に洗濯槽クリーナーを使う必要はありません。
洗濯槽の掃除を行う場合は、最後の洗濯より前に済ませ、水抜きと乾燥の時間を確保してください。
洗濯機の水抜き方法|共通する基本の流れ
以下は一般的な流れです。使用するコース、運転時間、給水ホースの外し方、フィルターの位置は機種によって異なるため、必ず取扱説明書を確認してください。
1.蛇口を閉めて給水ホースの水を抜く
最初に水道の蛇口を閉めます。その後、取扱説明書に従って洗濯機を操作し、給水ホース内の水圧と残水を抜きます。
メーカーや機種によっては、短時間の運転や特定のコース・ボタン操作を行います。「標準コースを1分」と全機種で共通するわけではありません。
給水ホースを外す際は、接続部分の下に洗面器やタオルを置いてください。水栓つぎてにロックレバーやスライダーがある場合は、取扱説明書どおりに操作します。
外部参考:シャープ「全自動洗濯機の水抜き」
2.指定された運転で本体・排水経路の水を抜く
給水ホースを外した後は、脱水などメーカーが指定する運転を行い、洗濯槽と排水経路に残った水を排出します。
機種によっては、脱水のほかに槽洗浄コースや専用の操作を使う場合があります。運転時間も一律ではありません。
運転が完全に終わってから電源を切ります。
3.電源プラグとアース線を外す
必要な運転が終わったら、電源を切り、電源プラグをコンセントから抜きます。アース線も外してください。
電源コード、プラグ、アース線が水に触れないよう、乾いた状態でまとめます。強く折り曲げたり、本体と壁の間に挟んだりしないようにします。
4.排水ホースの残水を抜く
排水口から排水ホースをゆっくり外し、ホースの先端を本体より低い位置にして、残った水を洗面器へ出します。
排水ホースを無理に引っ張ると、ホースや接続部分を傷める可能性があります。クリップやフックで固定されている場合は、取り外し方を確認してください。
構造上、少量の水が完全には抜けきらない機種もあります。ホースの先端を袋やタオルで保護し、運搬時に水が漏れないようにします。
5.ホース・コード・付属品をまとめる
取り外した給水ホース、水栓つぎて、排水関連の部品、固定ボルト用工具などは、水分を拭き取り、種類が分かる袋へまとめます。
洗濯槽の中へ部品を入れる場合は、メーカーの案内を確認し、内部で動かないようにしてください。金属部品や工具をそのまま槽内へ入れると、運搬中に内部を傷つける可能性があります。
コードやホースは、運搬中に踏んだり引っ掛けたりしないよう、本体へ固定します。粘着力が強すぎるテープを本体へ直接貼ると表面を傷めることがあるため、養生方法にも注意してください。
縦型洗濯機を引越しで運ぶ準備
給水・排水の水抜きを行う
縦型洗濯機も、給水ホース、本体、排水ホースの水抜きが必要です。
使用する操作は機種によって異なります。脱水運転だけではなく、給水ホース内の圧力を抜くための操作が指定されている場合があります。
洗剤ケース・自動投入タンクを確認する
洗剤ケースに洗剤や柔軟剤が残っている場合は、こぼれないように処理します。
自動投入機能を搭載している洗濯機は、タンク内の洗剤・柔軟剤を別容器へ移す、タンクを洗浄するなど、メーカー指定の準備が必要な場合があります。
自動投入タンクを満たしたまま運ぶと、傾きや振動で液漏れする可能性があります。
縦型洗濯機に輸送用固定ボルトは原則不要
ドラム式とは異なり、一般的な全自動洗濯機や二槽式洗濯機では、ドラム式用の輸送用固定ボルトは使用しません。
任意のネジやテープで洗濯槽を固定しようとせず、取扱説明書に記載された運搬準備を行ってください。
ドラム式洗濯機を引越しで運ぶ準備
排水フィルターの水を抜く
ドラム式洗濯機では、本体下部の糸くずフィルター・排水フィルター部分に水が残る場合があります。
フィルターを急に開けると水が流れ出ることがあるため、浅い容器やタオルを用意し、取扱説明書どおりに少しずつ水を抜いてください。
フィルターの位置や名称、外し方は機種によって異なります。
外部参考:シャープ「ドラム式洗濯機の水抜き」
輸送用固定ボルトを取り付ける
ドラム式洗濯機を運搬するときは、ドラムが動いて内部を傷めないよう、メーカー指定の輸送用固定ボルトを取り付けます。
- 洗濯機の型番に対応する純正部品を使う
- 必要な本数と取り付け位置を確認する
- メーカー指定の工具・締め方を守る
- 任意のネジやテープで代用しない
- 設置後は運転前に固定ボルトを外す
輸送用固定ボルトを付けたまま運転すると、強い振動や騒音が発生し、故障につながる可能性があります。
固定ボルトを紛失した場合
固定ボルトを紛失した場合は、洗濯機の型番を確認し、メーカー、購入店、家電量販店などへ相談してください。
機種に対応していないネジや金具を使うと、正しく固定できないだけでなく、本体を傷める可能性があります。部品の価格や納期は機種によって異なるため、引越し日が決まったら早めに確認しましょう。
洗濯機を自分で運ぶか業者へ依頼するか
自分で運ぶ場合の条件と注意点
洗濯機を自分で運ぶ場合は、少なくとも次の条件を満たす必要があります。
- 本体を安全に持てる人数を確保できる
- 搬出・搬入経路に十分な幅と高さがある
- 車両内でメーカー指定の向きに固定できる
- ドラム式の輸送用固定ボルトを用意できる
- 床・壁・階段を保護する養生ができる
- 給排水接続と設置後の確認を行える
洗濯機は重量があり、持ち方を誤ると、けがや建物の損傷につながります。取扱説明書で指定された取っ手や持ち方を守り、本体やホースを引きずらないでください。
洗濯機を自分の判断で横倒しにして運ぶのは避けます。ただし、メーカーや機種によっては、輸送用固定ボルトを取り付けたうえで、一時的に倒す方法が据付説明書に示されている場合もあります。必ず使用機種の説明書に従ってください。
業者へ依頼した方がよいケース
- ドラム式洗濯機を運ぶ
- 洗濯機を持てる人数がいない
- 階段や狭い曲がり角がある
- 車両へ指定方向で固定できない
- 防水パンや蛇口の条件が合うか分からない
- 給排水接続や試運転に不安がある
- 吊り上げ・吊り下げ作業が必要になる可能性がある
狭い階段や曲がり角から搬入する場合は、狭い階段で大型家具・家電を搬入する方法も参考にしてください。
取り外し・設置の対応範囲を確認する
洗濯機の運搬を依頼しても、取り外しや新居での給排水接続が料金に含まれているとは限りません。
見積もり時には、次の項目を確認します。
- 水抜きを誰が行うか
- 給水・排水ホースの取り外し
- ドラム式の固定ボルト取り付け
- 新居での給排水接続
- アース線の接続
- 試運転
- 部品交換やホース延長
- 階段・吊り作業などの追加料金
家電設置をどこへ依頼するかは、家電設置を引越し業者・家電量販店・専門業者へ依頼する違いで解説しています。
新居で洗濯機を設置する前の確認事項
搬入経路と本体サイズ
洗濯機本体の幅だけでなく、ホースの出っ張り、ドアを開くための空間、運搬時に人が持つための幅も必要です。
玄関、廊下、曲がり角、階段、洗面所の入口を採寸します。ドラム式は本体の奥行きが大きく、扉を開くための前方スペースも必要です。
家電全般の搬入準備は、引越しで家電を運ぶ方法もご確認ください。
防水パンの内寸
防水パンは外寸ではなく、洗濯機の脚が置かれる内側の寸法を確認します。
防水パンの縁へ本体を無理に載せたり、対応していない台を自己判断で使ったりしないでください。かさ上げ台や真下排水部品が必要な場合は、洗濯機メーカーや設置業者へ確認します。
蛇口の高さと形状
洗濯機の高さだけでなく、ふたやドアを開けたときに蛇口と干渉しないか確認します。
蛇口の形状によっては、オートストッパー付き水栓ジョイントなど、指定部品への交換が必要です。賃貸住宅で蛇口を交換する場合は、管理会社や貸主へ確認してください。
排水口の位置
排水口が洗濯機の真下にある場合、真下排水用の部品やかさ上げが必要になることがあります。
排水ホースを無理に折り曲げる、つぶす、本体の脚で踏むと、排水不良や水漏れの原因になります。排水口の位置と必要部品を設置前に確認しましょう。
洗濯機の設置と試運転の手順
ドラム式の輸送用固定ボルトを外す
ドラム式洗濯機を設置したら、運転前に輸送用固定ボルトを外します。
外したボルトと工具は、次回の引越しや移動に備えて、洗濯機の型番が分かるように保管してください。
本体を水平に設置する
洗濯機が傾いていたり、脚が浮いていたりすると、運転中の振動や騒音が大きくなる可能性があります。
本体の水準器や取扱説明書を確認し、調整脚で水平を合わせます。キャスター付き台などを使用する場合は、洗濯機メーカーが使用を認めているか確認してください。
給水・排水・アースを接続する
給水ホース、排水ホース、アース線を取扱説明書どおりに接続します。
- 給水ホースのロックやナットが確実に固定されているか
- 蛇口を開いたときに接続部から漏れないか
- 排水ホースが抜けたり折れたりしていないか
- 排水口へ正しく接続されているか
- アース線が指定された端子へ接続されているか
接続に不安がある場合は、自分で無理に作業せず、設置業者へ依頼してください。
試運転で水漏れと異常振動を確認する
設置後は、取扱説明書で指定された試運転を行います。
運転中は、次の項目を確認してください。
- 給水ホースの接続部から水が漏れていないか
- 排水ホースや排水口から水が漏れていないか
- 本体が大きく揺れていないか
- 異常な音がしないか
- エラー表示が出ていないか
- 給水と排水が正常に行われるか
水漏れや異常振動を確認した場合は、すぐに運転を停止し、蛇口を閉めて、接続状態や固定ボルトの有無を確認します。
洗濯機の運搬・設置で追加費用が発生しやすい条件
取り外し・取り付けの費用を、縦型とドラム式だけで一律に示すことはできません。業者や建物条件、必要な部品によって変わります。
追加費用が発生しやすいのは、次のようなケースです。
- 蛇口と給水ホースの形状が合わない
- 給水ホース・排水ホースの延長が必要
- 排水口が洗濯機の真下にある
- かさ上げ台や真下排水部品が必要
- 防水パンに本体の脚が収まらない
- ドラム式の輸送用固定ボルトがない
- 階段作業や吊り作業が必要
- 取り外し・接続作業が基本料金に含まれない
料金だけでなく、必要な部品と作業内容が分かる見積もりを確認してください。
洗濯機の引越しに関するよくある質問
洗濯機の水抜きは引越し当日でも間に合いますか?
作業時間を確保できれば当日でも行えますが、最後の洗濯後から引越し前日までに済ませると慌てにくくなります。
水抜き後にホースや部品を乾かし、固定ボルトを確認する時間も見込んでおきましょう。
水抜き後に洗濯機から水の音がします
洗濯槽のバランスを保つための液体が封入されている機種では、本体や槽を動かしたときに水のような音が聞こえる場合があります。
ただし、音の原因を一律に判断することはできません。取扱説明書の案内を確認し、排水ホースやフィルターに水が残っていないかも確認してください。
水抜きしても排水ホースから少量の水が出ます
構造上、完全には水を抜ききれない機種があります。ホースの先端をタオルや袋で保護し、ほかの荷物へ水がかからないようにしてください。
水が多く出続ける場合は、指定された水抜き操作が完了しているか確認します。
ドラム式の固定ボルトがありません
洗濯機の型番を確認し、メーカーや購入店へ対応する輸送用固定ボルトを問い合わせてください。
任意のネジで代用せず、引越し日までに用意できない場合は、運搬を依頼する業者へ相談します。
洗濯機を横に倒して車へ積んでもよいですか?
自分の判断で横倒しにするのは避け、取扱説明書で指定された運搬方向を守ってください。
機種によって運搬方法が異なります。指定された向きで積載・固定できない場合は、引越し業者へ依頼しましょう。
洗濯機だけを引越し業者へ依頼できますか?
大型家電だけの運搬に対応する業者もあります。ただし、最低料金、対応地域、階段作業、取り外し・接続の範囲は業者によって異なります。
大型家具・家電をまとめて運ぶ場合は、大型家具・家電の引越し方法も参考にしてください。
新居に洗濯機が入らない場合はどうすればよいですか?
玄関や階段から搬入できない場合は、窓・ベランダからの吊り作業が可能か確認します。ただし、建物の構造、道路状況、作業スペースによって対応できない場合があります。
設置場所に収まらない場合は、洗濯機の買い替えや処分も検討します。不要になった洗濯機は家電リサイクル法の対象であり、一般的な粗大ごみとして処分できません。
処分方法は、引越し時の不用品を処分する方法をご確認ください。
引越し後に故障や水漏れが見つかった場合は?
すぐに運転を止め、蛇口を閉めます。水漏れ箇所、洗濯機全体、接続部、床の状態を写真で記録してください。
運搬中の損傷が疑われる場合は、できるだけ早く引越し業者へ連絡します。詳しい対応は、引越しトラブルを防ぐ方法も参考になります。
まとめ:機種の説明書を確認して水抜きと固定を行おう
洗濯機の水抜き方法は、すべての機種で同じではありません。取扱説明書を確認し、メーカーが指定するコースや操作に従ってください。
- 最後の洗濯が終わった後に水抜きを行う
- 蛇口を閉め、指定操作で給水ホースの水を抜く
- 脱水などの指定運転で本体と排水経路の水を抜く
- 運転終了後に電源プラグとアース線を外す
- 排水ホースの残水を抜き、部品を袋へまとめる
- 自動投入機能がある場合は洗剤・柔軟剤を確認する
- ドラム式は輸送用固定ボルトを取り付ける
- 新居の搬入経路、防水パン、蛇口、排水口を確認する
- 設置後は固定ボルトを外し、試運転を行う
洗濯機の種類や設置条件に不安がある場合は、型番と設置場所の写真を用意し、見積もり時に引越し業者へ相談してください。

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